臨死体験・気功・瞑想

覚醒・至高体験の事例集 気功家の場合

青木宏之氏

 

 青木宏之氏は、新体道の創始者。以下は、その著『からだは宇宙のメッセージ 』(地湧社)からの収録である。 

 


 私がそれに気づいたのは、昭和四十二年の十月だったと思います。その時、私は家にいて何かかんがえごとをしていたのですが、ふっと自分の中から相対的な価値観、例えば善なるもの、道徳といわれる好ましいもの、またヒューマニズムとか、愛情とか、ありとあらゆる、そういういわゆる良いもの、善なるものが消えてしまったのです。

 今までよりどころしていたものが全部、自分から離れてしまった。その離れていく様が、目で見るごとく、体感できたのです。そして無限の虚無の空間にとり残されてしまった。その時、私はすごい恐れを感じたのです。自分にとっての価値観がなくなるということは大変なことです。それは命よりも大事なものですから、これから一体どうなるのだろうと思ったわけです。

 ところが自分自身、全くなんでもない。そういうものがなくなって、今にも自分は倒れて死んでしまうかと思ったけど、ちっとも倒れもしず、息も止まりもせず、一体これはどういうことなのかと思ったわけです。
 そしてよくその感じを味わってみると、私のまわりからすべての、好ましい人々から言われて来た価値観、良いもと言われてきたもの、悪いものと思われていたものが全部消えてしまって、ただそこに、あるものがある。あるがままに黒いものは黒い、白いものは白
いと。良い悪いはなく、ただそれだけのことでということなのです。ひたすら瞑想して、お祈りして、よいことを考えて、精進して修行するという、そういう素晴らしい瞬間も、またなんとなく酒を飲んでいる時も、トイレにしゃがんでいても、その辺をぶらぶらうろついていても、つまり何をしていても変わりないんだ。ただそれだけなんだと。そういうふうなことをはっきり悟らされるという経験があったんです。

 その虚無の空間のことを今では宇宙的大我とか、宇宙的無意識などと言っていますが、自分が置き去りにされたそういう大きな虚無の世界、完全な無の世界、もしそれを0だと言えば、自分もその世界に同化しているのだから私も0です。また、すべてを加えても同化させても限りなく唯一の世界であるというのでそれを一と言えば、自分もそれに同化しているのだから一であるわけです。一と言っても、0といっても同じことですね。それを私は絶対無とか、あるいは完全な一の世界とか言うわけです。

 つまり、相対的な世界が消え去ってしまった時、自分がそういう世界にいたということです。それが本物中の本物というか、本当のことだったということに気がついたわけです。 

 その日からは、いろいろな物事を見ても、また人を見ても、今までとは全く違うふうに見えるようになりました。すべて、あるものがあるがままに見えるようになってきたのです。私の場合、理論的にそうなったのではなく、その時からだで感じた、体感したんです。目で見るごとくと言っていますが、実際に見えたんです。ビジョンというか、幻想みたいな感じで、視覚的にとらえられる形で自分からそういう相対的なものが去っていったのです。そんな経験をしたのです。


◆青木宏之(あおきひろゆき)

1936年 横浜市に生まれる。中央大学法学部卒。在学中、空手部で二期連続主将を務める。

1965年 新しい時代の体術を求め、30名ほどの優れた武道家を集め「楽天会」を結成。約3年間の猛稽古から、現代に生きる総合的な人間開発のための体術「新体道」を創始する。 以後、国際新体道連盟(後に新体道協会と改称)を組織し、現在国内外に五千人余の会員を有し、世界十二カ国に支部を置くに至る。『人間性心理学会東京大会』などで演武。

1985年 「日仏シンポジウム『科学・技術と精神世界』」(於:筑波大学)にて日本武道の代表として演武。秘技「遠当て」を披露し、気ブームの先駆けとなった。 『トランスパーソナル学会京都大会』にて演武。

1990年 「精神を開放し霊性を開発する体技−新体道−の創始」を画期的な業績として評価されカリフォルニア神学大学院より文学博士号を授与される。

現在、新体道協会会長、国際新体道連盟(ISF)会長、人体科学会理事など。

著書
『生きる日 輝く日』(金花舎)
『からだは宇宙のメッセージ』(地湧社刊)
『青木宏之の道を創る道を開く』(東洋経済新報社)
『新体道−今世紀最大の体技の誕生』(国際新体道連盟刊)
『光に舞う』(新体道協会編)

新体道と創始者青木宏之の歴史

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