自転車にも乗れないほどのもんのすごい風が吹いているが、かといって昼間っからたましろの一室でじっとしてる方が気分滅入りそう。N嬢の三半規管が正常に戻るのを待って近所散策。朝食べてないからお腹も空いてるわけで、今日は特に早く食べておかなきゃいけない理由は周知の通り(?) しかし、朝11時前にはまだ「パナヌファ」も「青空食堂」も、「モンパの木」までもみーんな閉まってる・・・この天気じゃ開くかどうかも怪しい感じ。中心集落からはずれた島の西の集落には売店らしい売店さえもない。誰か、何か食わせろー!
集落のはずれから見えるニシハマには狂ったような高波が打ち寄せ、歩くのも大変な北風。雨は降らないが警報出てる?と思うほど、沖縄で台風に遭遇したことない私の沖縄旅史上、最もすさまじい天気で最も寒い日である。港におりてみれば、岸壁から10メートル以上離れたところまでもしぶきが飛んでくる。ターミナルの建物には来るかどうかわからない船を待つ人数人と、小さなカウンターでそばを食べる人数人。港の売店で、この島以外ではまずほとんど入手できない沖縄でいちばん入手困難な泡盛(ということは日本一入手困難)「泡波」発見!
定価は600mlで800円くらい(たぶん)だけど
港でさえすでに上乗せ&変動価格
ミニボトル2本で1000円
黒糖と抱き合わせで3800円とか
石垣の泡盛専門店店頭にあった2升瓶は
なんと47000円! |
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でも驚いちゃいけない。本土では600mlボトルだって2万円くらいで取り引きされてる。作られてる絶対数が少なくほとんどが島内で消費されてしまうから高騰するのだが、なんでも飲みやすくて美味いというから気にはなる。それでも泡盛の味なんてわかんないおかぽん、たましろでは夕食に出してくれるっていうし(他、みのる荘とかでも出るって)、台湾まで持ってってまた持って帰るほどでもないから買わない。ちょっと迷いながらやはり買わなかったN嬢はというと、翌日しっかりOクンに譲ってもらっちゃったりなんかして(写真右)。
「え?!いいのぉ〜?? ほんとに〜?!」
とか言いながらもしっかり図々しい。と思ったら、帰ってからちゃんとお礼してたところが気遣いこまやかで義理堅い彼女である。
「モンパの木」に戻ってみるとこっそり営業開始していた。のはよかったが、商品見ながらなんとなくおばちゃんと喋ってるうちに・・・・我々のおかれた状況がちょっと冗談じゃなく、というよりかなりヤバいかもしれないことがわかってきた。店からはニシハマに打ち寄せる大波がよく見える。予定としては明日の3便(最終の船)で石垣に戻り、N嬢は明後日の朝早い便で松山への帰路に、私もやはり午前中に台湾へと出航するのだが・・・
おばちゃん 「ああそう、船欠航してんの?! そうかー、(海の方を見ながら)いやほんとすごいもんねぇ。でも今日の
3便は出るんちがうかなぁ。小学生がミニバスの試合で何十人か石垣行っててね。明日月曜でしょ。
帰ってこないと授業できんから、安栄出すんじゃないかな。そやけどこのぶんだと明日は(船出るか)
わからんで〜。飛行機空席待ち入れといた方がええよ、早く!今すぐ電話しておおき!」
さきほどあの小さな空港に、小さな飛行機の席を求めて殺到していた何倍もの人間が、明日の我々の姿かもしれない?! そりゃ冗談じゃない!! けど確かに、おばちゃんにそう言われようが言われまいが、この強風と大波が明日になればぱったり止んでいるなんてとても思えない。思いたくても・・・。でも、もう手遅れかもしれない。慌てて携帯でJALの空席照会を見ても、波照間発のアイランダーは明日は言うまでもなく、明後日までもしっかり満席。
なるようにしかならんわ。(>_<)
Tシャツとバッチとハガキを買ったところにさっきのお笑いトリオがやってきたり、ヒコーキで一緒だった人たちがやってきたりで、なんとなく四方山話しながらちょっと長居。みんな他にすることも行くところもないらしい。
「さっき前通ったら開いてたよ」という誰かの言葉で
即、しかし選ぶ余地はなくパナヌファで昼ごはん
廃墟に間違えそうだけど
島で一番人気かもしれない食堂兼ライブハウス |
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◆ LUNCH ◆
カレー ★★
甘め。大根と芋が多いのが
ちょっと・・・
三枚肉の塩漬け定食
味噌汁、黒紫米のライスつき ★★ |
パナヌファといえばカレー、カレーといえばパナヌファ?
でもハッキリ言ってしまおう
「おかぽん流カレーの方が絶対美味しい!」
定食も三枚肉ってばほとんど脂身、むつっこくて完食ならず
黒紫米はいい感じ
店内のけだるい雰囲気もいい感じ |
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でも、あとからポツポツやってきたお客さんらでカレーを食べてない人はおらず。
泡波よりも泡波アイスの方が100倍気になる我々が(私だけだったかも)次にめざすは島の真ん中の集落にある仲底商店。しかしやっぱり泡波も気になり、地図の‘波照間酒造’をたどってその近辺を徘徊したりしてみる。が、見つからない。
「この通りで間違いないはずなのに」
‘この通り’を行って戻ってまた行って・・・やっと、何の変哲もないちょっと古めの鉄筋の建物の横に‘波照間酒造’とペイントされた軽トラ発見。ここ?!? 建物にも入り口にも看板も出していないし、中の様子は全く伺えない。どころか人の気配もなく、酒造らしい道具類だって外にはなにひとつない。けれど、換気扇らしきもののそばに寄ると・・・ニオイがする!! ぷぅんと、酒のニオイが。わざと看板隠してひっそりと作ってるんだろうな。
そして行ってみた仲底商店にはあっけなく振られる。昼休み中らしい・・・。もうこの頃になると、振られすぎて小言をいう元気さえなく「あ〜あ」。あまりの寒さと強風にすっかりテンション下がり、結局たましろの6畳間に戻ってゴロゴロする。こんなのじゃ自転車借りて最南端行っても波しぶきに濡れるだけ。明日行けばいいか。
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私はひとり
‘島に閉じ込められそうだー’
なんて書いたハガキを出しに |
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宿の表で皆がだべっている。船はついに3便も欠航し、明日の1便も怪しいらしい。よって今日は島に新聞も郵便物も生鮮食品も届かない。石垣島地方気象台発表のローカル予報を聞くべく、09808−177(八重山市外局番+天気予報案内)にかけた自称女優のHさんが半分失望に満ち、半分開き直ったように
「今日は波5メートル、明日は5メートル!のち4メートル・・・・」
変わらんじゃねーか。ひょえ〜〜〜。
おかぽん 「ねぇN嬢、もし明日帰れないことになったら、お互い自分のことは自分でやろうね・・・・」
楽天家の私が珍しく超不安モード。台湾行きフェリーが出るかだって怪しい雲行き。台湾に行けないとなると、手配している台北のホテル3泊分は無駄に、キャンセルチャージはすでに100%。帰りの航空券だってどうすりゃいいのよ? そんな全てを犠牲にして鳩間にでも再チャレンジするのか、西表にヤマネコでも探しにいくのか、はたまた石垣から多良間に飛んで宮古に寄って・・・とジリジリ北上して那覇まで帰るのか。ええい、いずれにしても11日までは松山に帰るもんか! ちなみに、船の遅延証明書があれば、国内線はバーゲンチケットであっても翌日orその日の遅い便に振りかえがきくらしい。つまり私のおかれた状況と比べると、N嬢が松山に帰れないなんてことはたいした問題じゃないのだ。
夕食はたいてい庭(というか簡易ビニールシートかけただけの軒下)でワイワイやるんだと聞いてはいたが、もちろん中に食堂がないわけではないし、さすがにこの強風とこの寒さなら中だよなー、と思っていたら外。いくらアルコール入っても寒いものは寒いよ!!と思ったらちゃんと薪をくべて火をおこしている。キャンプファイヤーのオプションがあるとは思わなかったわ。そこで慣れたふうに火の番をするひとりのオジサンを、手伝いに来てる近所の人だと思いこんでた我々は、あとで客であり旅人であり相当な常連さんであると知ってびっくり。てめえ客かい!(爆)
んなことより。テーブルにズラリと並べられたトレイ、そこに薄高く盛られ、そしてはみ出さんばかりに艶やかに鈍く照る、そんな盛り付けのおかげであまり美味しそうには見えない料理は、明日の不安をちょっとばかり忘れさせてくれるかもしれない素敵な光景であった。男子6名女子4名、平均年齢30代後半から40代(??あくまで目測)というのは思いのほか高めであるが、とにかく本日の宿泊客10名全員が揃ったところで「いただきま〜す!」 船が出てたら間違いなくお客さんもう少し増えてただろうけど。
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◆ DINNER ◆
ソーキと野菜の煮物 ★★
中身汁 ★★★
刺身 ★★
ジーマミ豆腐 ★★★★★
(これがいちばん美味かった・・・)
ごはん、果物 |
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どれも完全に2人前量、完食する人が続出すればお父さんの機嫌が悪くなると噂の、有名たましろ的怪物&サバイバルごはん。どんな噂より写真より実物の方が迫力あるわけは、3次元の立体感に加え、どれをとっても切り方が不揃いでデカいせいだ。と妙な分析をしてしまいそうになるが、これでもこの日はメニューからしてボリュームダウンな、最も軽めかもしれないバージョンとのこと。カレー&ソバ、うな丼&ソバといった炭水化物祭りは当たり前ということで、食べ合わせなんてあまり考えられてないらしい。しかし炭水化物祭りじゃない今夜でさえ、完食したのは同じアイランダーでやって来た謎の兄ちゃんT氏のみ。
食事を始めてしばらくしてどこからともなく登場したお父さんは、宴会の司会者を指名だけしてまたすぐ姿を消す。風呂に行くとき、お父さんが脚立に上がって何か作業している姿を見た私は、風でビニールシートが飛ばされないように補強してるんだろうと思っていたのだが。
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今日は今年第一弾のX'mas パーティーナイトということらしい
そう、お父さんはツリーと電飾の飾り付けをしてたの! |
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なぜ今日が第一弾なのか知るわけないけど、これまたクリスマスパーティーのオプションがあるとは思わなかったわ。自己紹介により、N嬢は他称半漁人ことKクン(以下半漁人)と同じ愛媛出身、それもカントリーサイドでかつニアミスなことが判明して「うっわ〜」。マイ・モリ持参で島に来て(そういうキケンブツってヒコーキに預けてしまえば大丈夫なの?)よゐこの濱口なんて全然たいしたことない、と言い切ってしまう半漁人に「うっわ〜」。当初島の人だと思っていた、日本の末端で釣りをするのが趣味(?)のKサンの口から、今日も北海道の話が出て「うっわ〜」。そんなKサンはキャンプファイヤーを見込んで用意してたと思われる大量の花火とイモを次から次へと。ん?花火って、預け荷物でもダメだよね?! でもお陰でそこそこ盛り上がり、完食しないのに焼き芋かじってみたり。‘たましろプレシャスナイト’BGMに灰浴びながら両手に花火でファイヤー!
遅い大人の夏休み? どうやって東京から花火持ってきたかはまったくもって謎だけど
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三線が女優H嬢の手から謎の兄ちゃんT氏へ渡ったところで、実は彼が演奏も歌もめちゃくちゃ上手いことが判明して一同唖然。てめえ何者だー! そんな彼に感動したN嬢はさっそく三線を教えてもらおうとし、教えてもらい始めてしばらくして・・・・また不意にお父さん登場。
お父さん 「下手な人は弾いちゃダメ。(三線)返してください」
寝癖で髪の毛は明後日の方を向いている。一同ちょっとびっくり。
N嬢 「あっ・・・!すみませーん!!」
Kサン 「あの(お父さんの)アタマ見て。めったに見れないよ。よっぽど不愉快だったんだろーね(笑)」
N嬢 「わあん、怒られちゃったぁ〜(悲)」
知るもんか。(苦笑) でも気にすんなって(^^;
消灯は11時のはずだが今夜はクリスマスパーティーということで30分延長? 12時前になって火の後始末して退散。なるほど怪しく楽しく謎だらけ、客のキャラも収拾つかないほど超個性的で、だからこそどうしようもなく面白い話が聞けたりするまさにプレシャスナイト。さぷな家の静かな夜もいいけど、たましろも大好き! でも賛否両論激しく分かれるのもわかるなぁ。
相変わらず風は止むどころか、ますます強くなってきたような気がするし、空も不気味にうなっている。日本でいちばん多くの星が見える島だけど、今夜はひとつも見えやしない。このまま島に閉じ込められてここに連泊するのも悪くないと思ったり思わなかったり・・・。
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