関稔の指揮法教室

基礎編その1

 大問題発生!斉藤秀雄著「指揮法教程」の本が、もう10年以上前から私の手元にありません。しょうがないので、たよりは私の頭だけ。始めからいいかげんな指揮法教室となってしまいました。私らしいといえばそうなのですが。内容が内容だけに、なんか恐れ多いなぁ。大丈夫だろうか。

 

姿勢・指揮棒の持ち方

 変な姿勢や、変な指揮棒の持ち方はだめです。詳細は、ここでは省略させていただきます。

 

根本的な問題

 指揮者は両手を使いますが、主に指揮をしているのは右手で、左手は補助的な動きです。そこで問題になるのが、人間の右手は身体の右側に付いているということです。何が問題かというと、指揮者から見て、右側に位置する演奏者は指揮を見やすいのですが、指揮者の左側に位置する演奏者からは指揮が見にくくなってしまうということです。なるべく、すべての演奏者に均等に見やすく指揮をするためには、身体の真ん中で指揮をする必要があります。
 たとえば、真上から真下に振り下ろす場合が多い1拍目の運動は、上は額の上、鼻の前、下はおへその位置というように、身体の真ん中のラインで振り下ろすようにするのです。(今は、左手はまだ使わないという前提で) 

 次が問題です。横の動きの時、左肩より更に左に右手が行くでしょうか。左肩より少し出る程度だと思います。さて、右側は、右手を真横に伸ばせば、右肩よりも随分右側に行きます。そこで、なるべく左へ、右は行きすぎないようにしないと、身体の真ん中で指揮してることにならないのです。これが、けっこうきついです。実際には左手を使うので、若干右側によりますが、まず初めは身体の真ん中で指揮するよう努めなければなりません。

 

叩き、しゃくい、平均運動

 まず、この3つの言葉を憶えましょう。これらは、間接運動といって普通に指揮する時の運動なのです。このなかでも一番重要なのは「叩き(たたき)」で、叩きさえできれば、取りあえずすべての曲は指揮できるといわれています。ただ、叩きだけではあまりにも表現力に欠けるので、「しゃくい」と「平均運動」までマスターすれば、間違いなく指揮はできるでしょう。

叩き

 文字通り、空中を叩く動作です。真上から真下に向かって空中を叩くのです。叩いた直後は跳ね上がります。叩くというと力が入った感じですが、そうではなく、真上に上がった腕が腕の重みと引力で自然に落ちてきて、加速度がついてヘソのあたりで叩くのです。叩いた後、すぐ跳ね上がります。加速減速を伴った運動です。ボールが地面から跳ね上がってまた落ちてくるのと同じような加速減速になります。この叩いて跳ね上がる瞬間(腕が一番下に来るところ)を「」といいます。

しゃくい

 叩きが加速減速を伴った直線的な運動だとすると、しゃくいは加速減速を伴った曲線的な運動ということです。叩きが、1番ビートのはっきりした堅い曲用だとすれば、しゃくいはそれより、若干柔らかい曲の時使用します。

平均運動

 ほとんど加速減速を伴わず、平均に腕を動かす運動です。まったく平均に動かしたのでは、点を示すことはできませんから、わずかな加速減速で点を示します。しゃくいよりもさらにレガートな曲用です。

 これらの3つの運動をそれぞれ別に練習するのですが、実際の曲では、叩きとしゃくいの中間ぐらいの運動や、しゃくいと平均運動の中間ぐらいの運動というのもあります。 

 

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