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33rd Concert

 山手西洋館 夏の宵のコンサートシリーズ

 

アンサンブル山手バロッコ第33回演奏会

〜 チェンバロで巡るヨーロッパ Part-II

(洋館で親しむバロックシリーズ 第13回)

Cembalo around Europe Part-II

201081() 午後4時開演(3時30分開場)

山手234番館 レクチャールーム(元町公園前)

400pm 1st August. 2010 at Yamate Bluff -234

主催: 財団法人 横浜市緑の協会

  

出演 アンサンブル山手バロッコ 

わたしたち「アンサンブル山手バロッコ」は、98年、横浜山手の洋館 山手234番館のリニューアルに行なわれた記念のコンサートをきっかけに、山手在住のリコーダー愛好家 朝岡聡を中心に結成された、バロック時代の楽器(古楽器)を使った演奏団体で、継続的に山手の洋館での演奏活動を続けています。本日はチェンバロソロでお聴きいただきます。

 

 

酒井絵美子(チェンバロ: 堀栄蔵作 イタリアン・タイプ(1990)

Emiko Sakai (Cembalo)

説明: C:\Users\Hiro\Documents\234HPnew\BWsakai.jpg

洗足学園高等学校音楽科を経て、同音楽大学ピアノ科卒業。ピアノを池谷淳子、冨岡英子の両氏に師事。在学中チェンバロに出会い、岡田龍之介、家喜美子の両氏に師事。故 小島芳子、A.プリャエフ、N.パール、M.メイヤーソン、E.バイアーノ、K.ハウグサンの各氏のレッスンを受ける。また、フォルテピアノの伊藤深雪氏のレッスンを受講。CD「篠原理華 リコーダー&ミュゼット」に参加。現在、チェンバロ及び通奏低音奏者として、日本各地で演奏、講習会のアシスタントを務める傍ら、ピアノ奏者として様々なアンサンブルに参加するなど、意欲的に音楽活動を行なっている。バロックアンサンブル「クラングレーデ」メンバー、山手西洋館では、アンサンブル山手バロッコでも活躍、2009年には西洋館リサイタルを開催、好評を博す。

http://music.geocities.jp/ensembleklangrede


 

山手西洋館 夏の宵のコンサートシリーズ

 

アンサンブル山手バロッコ第33回演奏会

〜 チェンバロで巡るヨーロッパ Part-II

(洋館で親しむバロックシリーズ 第13回)

Cembalo around Europe Part-II

 

 

本日は、夏の宵のコンサートにお越しいただきありがとうございます。おかげさまで、昨年の横浜イギリス館での夏の宵のコンサート「チェンバロで巡るヨーロッパ」は好評をいただきました。今回は、第2弾としてイタリアン・チェンバロの響きを楽しみながら、チェンバロが辿った時代や国、作曲家の特徴をみなさまと共に味わいたいと思います。 

 

J.P.スウェーリンク 1562 1621
Jan Pieterszoon Sweelinck

詩編 第23番  
psalm 23

スウェーリンクはオランダ、アムステルダムの作曲家で鍵盤楽器奏者です。声楽曲や鍵盤曲を多数作曲し、オルガンとチェンバロの即興の名手で、北ヨーロッパの巨匠として不動の地位を築きました。生涯アムステルダムを出ることはほとんどなく、穏やかな生活を送ったとされています。254曲もの声楽曲は当時出版されていましたが、鍵盤曲はほとんど即興で行っていたため、弟子たちの手稿譜により約70曲が残されています。本日の演奏曲、詩編 23番は、もともとはリュートのために書かれた数少ないコラール変奏曲です。讃美歌のメロディーをもとに変奏されていきますが、聖書とのつながりも深く、楽譜には旧約聖書の詩編23番「ダビデの賛歌」が添えられています

G.フレスコバルディ  1583-1643
Girolamo Frescobaldi

カンツォーナ 第3番 
Canzona terza

 

フレスコバルディはイタリア北方のフェラーラで生まれ、オルガンを修め、ローマの教会や宮廷のオルガニストとして活躍しました。主にチェンバロやオルガンのバロック音楽における作曲や演奏技法の基礎を作った人で、沢山の作品を残し、フランス、ドイツなど欧州に広くその技法は展開され、バッハもその影響を受けていると言われています。カンツォーナは、シャンソンの器楽用編曲、或はそれと同形式で作られた器楽曲のことで、即興部分とリズミカルな部分が交互に現れ、同音反復による主題やフーガのような模倣による展開が特徴です。 

 

 

H.パーセル(16591695
Henry Purcell

組曲 第2番 ト短調 Z.661
 Suite  No.2  in G minor

プレリュード - 〔アルマンド〕 - クーラント - サラバンド
Prelude
(Almand) Corant - Saraband

 

ヘンリー・パーセルは17世紀後半のイギリス最大の作曲家です。宮廷音楽家の父や伯父のもと、幼少より王室礼拝堂の聖歌隊員をつとめ、15歳で王室の鍵盤楽器の調律を任されるなど王室での地位を高めていきました。青年期以降は作曲家、鍵盤楽器奏者として本格的に活動をし、とりわけ声楽作品の創作に情熱を注ぎました。自由奔放、不規則なフレージング、拍子とリズムの衝突など、情熱に身をまかせるような作風であるとともに、幼少時に学んだエリザベス朝時代の音楽家たち(バード、ブル、ギボンズら)の様式とイタリア、フランス音楽の構成を取り入れ、パーセルの輝かしい個性を確立していきました。組曲は全8曲あり、すべてアン王女に捧げられています。今回は第2番を演奏します。前奏曲で始まり、当時の定番の舞曲アルマンド、クーラントとサラバンドが続きます。

 

G.ベーム(1661-1733
Georg Böhm

組曲 ヘ長調 
Suite in F major

アルマンド - クーラント - サラバンド - ドゥーブル - ジーグ
Allemande
Courante Sarabande Double Gigue

 

カプリッチョ ニ長調
Capriccio in D major

ベームは、バッハより一世代前のドイツの有名な教会オルガニストです。1698年リューネブルク聖ヨハネ教会のオルガニストに就任し、終生オルガニストとして活躍しました。バッハは15歳の時に奨学生として2年間リューネブルクで音楽を学んでいましたのでベームの音楽を知り、さらに直接教えを受けた可能性もあります。ベームは、フランス風の優雅さ、北ドイツの内省的な深さ、厳しさを併せもった作風を持つ、鍵盤楽器の名手・作曲家として、本日最初に演奏したスウェーリンクからの伝統を発展させ、バッハに受け継がれる形で影響を与えました。チェンバロのための組曲は、パーセルの曲と同じように当時の流行の舞曲を組合せた構成です。カプリッチョは、自由な形式で書かれた対位法曲で、3つの部分に分かれており次々に変化し、劇的に終る構成になっています。

 

*** 休憩 ***

 

J.S.バッハ(16851750

 Johann Sebastian Bach

シンフォニア 5番 変ホ長調 BWV791  Sinfonia No.5 E-flat major

シンフォニア 11番 ト短調BWV797  Sinfonia No.11 g minor

インヴェンション 14番 変ロ長調  BWV785  Invention No.14 B-flat major

インヴェンション 15番 ロ短調 BWV786  Invention No.15 B minor 

 

平均律クラヴィーア曲集第1巻 前奏曲とフーガ ニ長調 BWV850

Das Wohltemperierte Klavier  Praeludium und Fuge D major

 

半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903

Chromatische Fantasie und Fuge   D minor

本日最後の演奏曲、バッハはドイツバロック最高峰の作曲家です。オルガニストや宮廷楽長としてドイツ各地を転々とし、その間に作曲した作品のジャンルや曲数の多さ、内容の豊かさは「音楽の父」と呼ぶにふさわしいものがあります。バッハは、2度の結婚で20人の子供に恵まれましたが、成人した息子は5人全員が音楽家になり、次の世代の重要な作曲家になった人もいます。バッハは、友人に宛てた手紙で「我が家の子供は生まれながらの音楽家なのです」と誇らしげに書いていますが、一方で、子供を含む師弟の音楽教育にも力を注ぎました。

1710年に生まれた長男ヴィルヘルム・フリーデマンについては、その教育に力を注ぎ、1720年には、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集という音楽帳を書き始め、チェンバロや作曲のレッスンを進めていったようです。最初に作られたのはインヴェンションとシンフォニアです。この曲集は、初期稿の形でこの音楽帳に収められています。今日でもピアノを学ぶ人は必ず練習することになるこのインヴェンションとシンフォニアは、鍵盤楽器の練習曲としての意味だけでなく、バッハの残した曲集の前書きにあるように「歌うように2つまたは3つの声部を演奏し、作曲の着想や方法を習得する」作曲の技法を学び、音楽の味わいを深めるための曲でもありました。本日は、インヴェンションのから組曲の序奏を想わせる変ロ長調と軽妙な味わいのロ短調を、シンフォニアから室内アンサンブルを想わせる変ホ長調と協奏曲風のト短調が演奏されます。バッハの鍵盤レッスンの仕上げは今日、平均律クラヴィア曲集として知られる前奏曲とフーガであったといわれています。平均率クラヴィーア曲集とは、鍵盤楽器のオクターブを構成する12の鍵盤全てに対して、長調と短調の前奏曲とフーガ24曲をもって構成されたもので、音楽帳にその一部を書きはじめ、1722年に第1巻を完成しました。本日は、躍動感に溢れる前奏曲とフランス風序曲を想起させるフーガをもつニ長調をお聴きいただきます。

1730年ころに最終稿の完成した半音階的幻想曲とフーガは、バッハの鍵盤曲の中でも最も有名で、死後も忘れられずに演奏され続けた曲です。バッハの伝記を書いたフォルケルは「このひときわ技巧的な作品は、きれいに演奏すれば、あらゆる聞き手に感動を与える」と書き残しています。一説では、フランスのチェンバロの名手マルシャンとのドレスデン宮廷での腕比べに臨み、この曲を作曲したとも言われています。曲は、半音階的に走るような曲想と語りかけるような曲想を交互に配した幻想曲で始まり、後半は半音階のテーマが3声部で掛け合う厳かなフーガが徐々に自由な形に変化し、最後には最初の華麗な雰囲気を加えて曲を閉じます。

(アンサンブル山手バロッコ 曽禰寛純)

 

スヴェーリンクからバッハの間には約100年の時が流れています。

悠久の時をみなさまと共に共有できれば幸いです。

 

アンコール

どうもありがとうございました。

沢山の拍手をいただきましたので、

フローベルガー 組曲12番より 「ラメント(哀歌)」 

をお送りします。

 

 

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