園部城(京都府南丹市園部町小桜町)

 *「日本城郭体系」に掲載されていた古図を基にして園部城の鳥瞰図を描いてみたが、写真が小さすぎて、細かい所がさっぱり分からない。特に本丸以外の周辺部はほとんど把握できなかったので、本丸しか描かなかった。ちゃんとした図を見る機会があったら、もう少しきちんと描き直してみたいものである。

 06.7.15(土)、ヤブレンジャー夏合宿でこの地を訪れた。前の夜から夜通し走り続け、早朝、まず最初に訪れたのがこの城であった。早朝のためさわやかというよりは、運転疲れと寝不足で、朦朧としていた・・・・・。それにしても、この地域って、早朝はどこを走っても霧だらけである。山間の地形のために霧が発生しやすいのであろうか。朝から霧に包まれているというのはなんとも神秘的な感じがするが、健康にはよくなさそうな気がする。

 園部城は南丹市役場の南方にあり、現在、京都府立園部高校の敷地となっている。そのため遺構のかなりの部分が改変されていると思われるが、それでも、城の象徴とも言うべき本丸の大手門と巽櫓が現存しており、そういう意味では貴重な城址でもある。

 周囲の宅地化も進んでいる。城域は図の本丸を中心として、さらに周辺部に広がっていたようだが、現在ではその形態は地形からなんとなく推測できるだけで、旧状は分かりにくくなってしまっている。
 
 園部城は中世に、この地域の豪族であった荒木氏の居城であったといわれる。その当時の城は、平地の居館部と、小麦山の詰めの城とが一体化した、この地域にありがちな形態の城郭であったものと思われる。北側を流れる園部川、西側の半田川が天然の堀となっていた。

 天正6年(1578)、丹波攻略を命じられた明智光秀は、荒木山城守氏綱が籠もる園部城に攻め寄せた。そして4月10日、水の手を切られた園部城はついに落城した。
 その後園部城が廃城となったのか、使用されていたのかはよく分からない。元和5年(1619)、但馬出石城にいた小出吉親は、当地に国替えとなり、近世城郭としての園部城を築きに至った。現在の城の原型は、その時に整えられたものである。

 城の北方背後の小麦山には天神社があったというが、城を見下ろす位置にあるのはよくないとして、これは城下に移された。なんでもこの天神社は菅原道真の在世当時から祭られていたもので、全国で唯一の生身天満宮として知られているという。菅原道真の所領としては「桑原」が知られているが(何か禍を受けそうになった時の「くわばらくわばら」という台詞はここからきている)、ここ園部も道真の所領であったのであろうか。それにしても生前から神として祀られるとは、菅原道真という男は、まったくただものではない。

 「城郭体系」の解説を見ると、本丸には4基の櫓があったというが、絵図を見た限りでは3基しかない。園部城は明治2年に大々的に改築され(現存の櫓と門もその時のものである)ているので、その際に櫓の数も変更されたものであろうか。ちなみに、現在城址に現存している櫓は巽櫓のみであるが、八木町の安楽寺には、ここから移築された太鼓櫓が現存している。ちょっと寺院風に改変されてはいるが、一見して、城の櫓のように見える建物となっている。

 なお、城址に隣接した北側の園部公園には、三層のいかにも天守のような建造物が建っている。これは国際交流会館であり、まったくの模擬天守である。しかし、小麦山には三層の櫓が建っていたというから、このような天守まがいの建造物が園部城にかつて存在していた可能性もなきにしもあらず、といったところである。

園部城の入り口。門と櫓は現存である。現在も園部高校の門として使用されている。 現存二重巽櫓。といっても、明治2年に完成したものだというので、けっこう新しい。外側に入口がついているというのが何とも不自然な造りである。
城址のすぐ脇にある園部公園内にある国際交流会館。まさに天守と呼ぶにふさわしい。しかし、模擬である。 近くで見ると、下部が文化会館となっている様子がよく分かる。園部城には背後の小麦山に三重櫓が建っていたというので、あながちこのようなものが存在していなかったというわけでもない。
石垣のすぐ下はテニスコートとなっているが、本来はここも郭であった。 園部城の背後の小麦山。詰めの城といったものであろう。明治2年にはこの上に三重櫓が建築されたという。これが実質的に天守というべきものであった。
 園部城は元和5年(1619)、出石からこの地に移封されてきた小出吉親によって築かれたものである。規模はそれほど大きくなく、園部陣屋と呼ばれていた。小出氏の支配は代々続いた。
 明治元年(1868)、激動の時代を迎え、小出氏は城の拡張を決意、櫓門や巽櫓、小麦山山頂の三重櫓などを建造を開始した。しかし、その明治5年に廃藩置県が起こると、結局城は廃城となってしまったのであった。

























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